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ミニタヨリ 203

「ミニタヨリ203」
 満開の桜の花に、無情な雪が積もった。10数度の気温の乱高下は、人間の体では調整できない。もっとも、家の中を暖かくして閉じこもっていた自分たちにはその辛さはわからなかったが、学校から帰ってくる孫の顔が寒さで赤くなっていた。やはり子供は風の子、その寒さの中自転車に乗って遊びに行く。老人はおろおろと心配するばかりだった。
 しかし、この寒さにも負けないのは子供だけではない。目立たない道路の、吹きだまりのような少しの土にはえた雑草の中に、可憐な花が咲いている。生命の強さを感じる。
 誰も見ていないような所に花は文句も言わないで咲いている。雪に押しつぶされそうになっていたが、晴れたら、もっときれいに咲いていた。花は自分が花だから、ここに種として落ちたから、寒い冬の内にも一生懸命花を咲かせようと頑張っていたんだ、と思うといとおしくなる。
花は花だから、時が来たら咲く。誰のためでもなく、自分のために、いや神様のために、与えられた自分の精一杯の生き方をする。
 最近、いろいろと失われるものの多い自分を思って、弱音を吐いたりしてしまうが、この花を見ると新しい勇気が出てくる。
桜見物に散歩がてら出かけた。老木になっても青空に高く花を咲かせ、その老木にしがみつくように、少しの花が咲いていた。春はいろいろな新しい力を見せてくれる。今日一日、私はどんな花を咲かすことができるのだろう。
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by minitayori | 2015-04-11 14:43