「みにたより302」

 「みにたより302」

 自分の人生が、自分にとって意味あるものであったかどうかは、人によってそれぞれ違った受け留め方があるようです。しかもその定義は自分できめなければなりません。神様から与えられたこの人生を振り返って、成功したか失敗したかは、あくまでも自分でくだした定義によって判断するしかないのです。

 J・R・オッペン・ハイマーと言う方がいました。あまり知られてはいないかもしれませんが、現代において非常に重要な役割を果たした方です。彼は、1904年の4月22日に、ニューヨークに住むドイツ移民の織物商の息子として生れました。小さい頃から頭がよく、やがてハーバード大学を3年で、しかも、優等で卒業しました。その後、ケンブリッジ大学で1年間大学院生活を送り、さらに、ゲッチンゲン大学で博士号を取り、間もなく現代有数の物理学者としての名声を与えられました。

 彼は第2次世界大戦中、国の政策の下に原子爆弾を生み出してしまいました。1963年に、彼に最高の栄誉である賞と、5万ドルをアメリカの当時の大統領自らの手で贈られたと言う事です。

 しかし、彼は原子爆弾の生みの親、と言う汚名を着せられてしまいました。1967年2月、この高名な科学者も、病気でこの世を去りました。訃報が伝わると、全世界から弔電が寄せられました。彼は同時代の人々にその才能を認められた数少ない天才の一人でした。しかし、彼自身は、死が訪れる1年ほど前にこう語っているのです。「私の人生は完全に失敗であった」と。
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さらにこの様に述べています。「私の業績は、口に灰の味を残す事でしかなかったのだ」と。彼の心にはいつも、原子爆弾の破壊力が重くのしかかっていたのでしょうか。「私は既に死んでいる。私は世界の破壊者だ」と口癖のように言っていたそうです。自分の人生の最後に、振り返ってみて「灰の味」しか残らなかったら、真に悲しいことです。

わたしたちはいつも主の祈りの中で「み心の天になるごとく、地にもなさせたまえ」と祈っています。この祈りは、自らが神のみ心である、愛と平和の架け橋となることを願う祈りです。まず祈り、祈りを積み上げて、平和を作り、愛を行う者でありたいと思います。貧しくとも、弱くとも、この祈りを真剣に祈り続けることが出来るものは、人生の終わりに『蜜の味』を楽しむことが出来るでしょう。

 いま世界では原子力の問題が取りざたされています。人間の力で最終的な処理の出来ないものを手に入れてしまった世界に、今一度人間の英知で、世界の平和と人間の幸せのために、真に役立てる道が備えられることを願う者です。人生を感謝で終われるように!


by minitayori | 2017-05-06 17:01 | Trackback | Comments(0)

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