人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「みにたより304」

「みにたより304」

 尊敬する信仰の友の逝去の報を受けた。かなり高年齢になってから再婚した方であったが、ご夫妻の夫婦愛は本当にほほえましいものだった。奥様が足を悪くされて、大変不自由をされている時に、たまたまお住まいの近くの教会に招かれて伝道のお手伝いをした。その時に、身体の不自由な奥様をかばいつつ、その教会の礼拝に参加してくださった。

 その後も、年賀状やクリスマスカードのやり取りを続けていたが、昨年ご主人が病気になられ、再発を繰り返し、今年の2月に逝去されたと言う。一週間ほど前にお手紙をいただいたが、奥様のために百歳まで生きたいと口癖のように言われていたとの由。お手紙には、愛された喜びと感謝がしたためられていた。

 わたしが牧師になってから、30数年の間、ろう者伝道を協力してくださったオシドリ夫婦がいた。そのご主人は、会社の慰安旅行で紅葉を見に行かれた時、血圧が高かったので医者から注意されていたが、バス旅の疲れと、降りた時の気温の急激な差に、脳出血を起こされて召されてしまった。

 朝「行ってきます!」と出かけ、夜にはご遺体で帰ってきた。奥様は驚愕と悲しみに泣き続けられた。毎日お見舞いにうかがったが、耳の聞こえない方なので、慰めの言葉も届かず、肩に手を置いて祈るだけだった。数日して、また同じように肩に手を置くと、笑顔でわたしのほうを見て言われた。「主人は今私の心の中にずーといます。今まで会社に行くと寂しかったが、これからはどこに行っても一緒ですから・・・。寂しくないです。」同じ信仰の中で、生死を超えて愛をはぐくめるということの素晴らしさを教えられた。

「みにたより304」_e0191585_21251281.gif


 今までの牧師としての働きの中で、素晴らしい宝物をいただいていたことを改めて思い、感謝しつつ、そのことを分かち合って生きたいと思いました。


by minitayori | 2017-05-20 21:26