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さんびか312番の背景

さんびか『いつくしみ深き』312番について、

 教会讃美歌371番(教団312)の「いつくしみ深き」は世界中の誰もがよく知っている讃美歌の一つです。この讃美歌を作詞したジョセフ・スクラィヴィンは、1819年アイルランドの裕福な家に生まれ、大学を卒業して、幸せな結婚式を前日に控えたある日、婚約者が溺死しました。癒すことの出来ない心の傷を負った彼は、25歳のときカナダのポート・ホープという町に学校教師として移住しました。彼は教会をとおして、貧しい人々に奉仕する生き方を選び、時間のあるときは、鋸を担いで、支払いが出来ない人々のために、薪を無料で切ってあげるなどの労働奉仕をしました。その彼に再び春が巡ってきました。海軍大尉の一人娘エリザ・キャサリンと知りあい、婚約までこぎ着けました。彼の傷も癒され、明るい将来が見え始めていた矢先、彼女は結核にかかり帰らぬ人となりました。その時、彼は41歳でした。幸福は彼の人生には不思議に拒まれていました。
 故郷にいた母もそうでした。その母を慰めるためにこの讃美歌の歌詞を書いてアイルランドに送りました。普通の人であれば、神を呪いかねないほどの試練に出会った彼ですが、人々にイエスの愛を伝える情熱は絶えることなく、平安と優しさに満ちていたと言われます。詩を書いた翌年の1886年体調を崩し、彼は病床に伏していました。
 彼を引き取った家の主人がこの詩を発見し、出版社に送り、「福音唱歌」の巻頭にこれが載ることになりました。元詩は、スクラィヴィンが自分の悲しみ以上に、故郷の母の苦痛を思い、「私の事は心配しないで下さい。愛なる主イエスが私の悲しみを全部負って下さっています。私は祈りによって平安を得ています」と母に励ましを告げる気持ちが満ちています。大塚野百合さんが訳した言葉を見て見ましょう。
 1. 何というすばらしい友でしょうか、主イエスが私たちのすべての罪と悩みを負ってくださるとは、何という特権でしょうか、すべてを神に祈ることができるのは!……
 2. 試練や誘惑に出会っていますか?困難がありますか?失望してはいけません。主にいのりなさい。こんな真実な友があるでしょうか。私たちのすべての悲しみを感じて下さる方が?主イエスは私たちの弱さをすべてご存じです。主に祈りなさい。
 3. 重荷に弱り、心労につかれていますか?貴い主は、わたしたちの逃れ場です。主に祈りなさい。友に軽蔑され、捨てられていますか。主にいのりなさい。主はそのみ腕にあなたを抱き、あなたを守って下さいます。そこにあなたは慰めを見出すでしょう。


この文章は、賛美歌について解説している本から、書き取っていたものです。失礼ですがどなたが書かれたのか、本の名前、著者を書き留めておくのを失念してしまった。お許しあれ。
でも、この歌を歌うたびに、私はこの歌の背景を思い浮かべています。その気持ちを伝えたい、あなたに!

by minitayori | 2012-02-07 14:11